Track List

1. Kodo
(書き下ろし)
2. Fakewings
(Studio Lepus【Fakewings】より)
3. Hautakirjoitus
(書き下ろし)
4. Aurora
(毎日五月病。【Stattlich Abmarsch】より)
5. Bonustrack
ジャケット

Demo

About

頒布場所:2014/4/27 M3-2014春C19b [Studio Lepus]
イベント頒布価格/ショップ委託価格:\500
委託ショップ:あきばお〜こく - Nihal〜忘れられた言葉たち〜


 Studio Lepusの三滝航によるボーカルプロジェクト「Nihal」の1stミニアルバム。今作のボーカルは【Fakewings】でも歌唱を担当した川口悠羽が担当、男性ボーカル5曲からなるCDとなっている。
 楽曲はメロディアスなロックサウンドを中心に、アコースティック、バラード、インダストリアル、ハードロックと楽曲毎に異なる色合いを持たせ、また三滝が得意とするストーリーアルバムでは出来ない表現を求めた結果か、全曲奇数拍子ありというプログレ色を含んだ一枚に。


Liner Notes

・「Nihal〜忘れ去られた言葉たち〜」 -ニハル-

 そんなわけで歌モノCDです。自称インスト人間なのにいつの間にか歌モノ作るようになって意外とそれっぽく作れちゃうようにはなったんですが、やっぱりStudio Lepusのライフワークであるストーリーアルバムとはまた毛色が違ってきちゃうので歌モノ専用のプロジェクトを立ち上げる事になりました。今回は男性ボーカルフューチャーということで自サークルで作詞している川口悠羽がボーカルを担当しましたが次回はまた違う形になってくるかなーとも思います(変拍子CDというのも今回だけのポイントになるかも)

 閑話休題。
 自分は楽曲の歌詞に用いる世界観については練るところまで練り上げるタチなのであまり曲ごとに世界観を書き下ろすという量産スタイルで制作することが出来ないのですが、その中でどうやって歌詞のアプローチをしていこうというのが歌モノを作る上でネックになります。一応創作メモとして世界観イメージみたいなのはストックしてあるのですが、その中で「アルバムという形式にするほどまで広大なセカイを持たないもの」を中心に歌詞に起こしてみたのがTr.2のFakewingsであったりTr.4のAuroraであったりしました。
 忘れ去られた言葉たち、というのはそういった大きな形になりきれなかった世界達のことを指したものでした。旧題は「言葉(歌詞)になりきれなかったものたち」でしたが流石にサブタイにそれ使うのはどうなのということで多少短くまとめて忘れ去られた言葉たち。しかし「忘れられた」というフレーズは使いやすすぎるのが難点というか、次回M3のコピーにもそれ使っちゃったとこでした。自粛…自粛せな…。

・Tr.1 Kodo -コドウ-

 元々はこのCDの序曲的な位置づけで書き始めた3分未満の短い曲でした。ただ描きおろし曲の密度が弱い感があったので前奏と中盤にひと展開加えたら随分とまた表紙の切り替わりが多い曲に…(汗) なんだかんだで全曲奇数拍子を謳うCDらしい曲になったと思います。
 今回Vo.の川口にはコーラスもやらせてみたのですが結構はまっててやらせたほうがビックリ。中盤までの造語は音のイメージをそのままの語感で口ずさんで録ったものを部分部分修正するという作詞方式を取ってみました。ちょっと新鮮。
 サビの拍子は思い浮かんだメロディをなぞっただけなのですがその分自然な変拍子になったんじゃないか…な…どうでしょう?(あ、でも15/16になってるとことかはややこしい…ですね…)

 それとこの曲、試聴でもわかりますが後半に日本語の歌詞が入ってます。造語曲の歌詞は基本的に公開しないスタンスなのでブックレットには印刷しなかったのですが日本語部分は以下のような歌詞になってます。歌詞イメージは“Studio LepusやNihalで描かれている世界観たちを俯瞰したもの”というものでした。ただそれっぽい歌詞並べただけじゃないよ!という言い訳…;


-Kodo 日本語歌詞-

宵眠らぬ夜鳥の群 瓦礫の丘
暮れなずむ白亜から目を覚ます翅たちの揺らぐ影と
見渡す夢幻の森

幽き風の響き 紅蓮の河
空浮かぶ極光の導く先 忘れ去られた碑文
誰知らず朽ちるもの

ひそり息吹き返す形なき言の葉
その鼓動

・Tr.2 Fakewings -フェイクウィングス-

 同名のシングルからの再録。あのCD自体Studio Lepusらしくないものだったので別途歌モノ用プロジェクトとして収録するつもりではありました。HPのサークル頒布物に乗ってないのはつまりそういうことでした。
 再録にあたってオケは音源を現状のものに一新、和音が詰まってジャングル状態だったギターを整理した結果だいぶ聴きやすい曲になったとは思います。Vo.は賛否両論あろうと思いつつも、元々のイメージとしてあった「育った街を嫌っている少年の、海の向こうの遠い国への憧れ」という部分に則って少年寄り(当社比)の素直な声(当社比)で歌ってもらいました。行きたい行きたいと思ってもなかなか足動いてくれないもんなんですよね。経験談。
 あとこの楽曲については一部歌詞の修正があります。というか最後の「風と征け」は大元の作詞段階で作っていたはずのフレーズだったのですが途中でデータが先祖返りしたのに気づかずそのまま収録してしまったというミスが…ゴメンナサイ…。

・Tr.3 Hautakirjoitus -ハウタキルヨイトス-

 書き下ろし曲その2。題はド安定のフィンランド語でございます。Studio Lepusではやれない類の曲ということでインダストリアル系の色付けをしました。ハードな曲歌いたがりな川口悠羽フューチャーCDということだったので、実のところこのCDのメインテーマとして書き始めた曲でした。むしろ逆に浮いてる感ありますがこのテの曲が中心のつもりだったんですハイ。
 楽曲の方は7拍子を16ビートのシンセベースと歪んだドラム、ノイズによるパターンを中心にドライなピアノを絡めていく作風に。NINいいよね。違うそうじゃない。こういう曲ももっと書いていきたいのですが本当に機会がないのが辛いところ。中盤シンセベースのみになる部分がお気に入りです。
 歌詞はKodo同様語感ベースの造語を録りながらの作詞。この手の楽曲は日本語歌詞にすると途端にダサくなる傾向にあるのでいつもより英語っぽいニュアンスの造語で、という設定でした。

・Tr.4 Aurora -オーロラ-

 毎日五月病。主催のV系コンピアルバムに提供した楽曲。この曲もシンセベースですね。ピアノを土台にシンセとエレキが入り混じった、綺麗だけれど破壊的でもある、というイメージ優先で作りました。
 この曲の歌詞については「if版Lapislazuli」というイメージです。あの曲自体は「雪に閉ざされた世界の中、シェルター(とかドーム的な物)の中に二人だけ取り残された少年と少女」のお話という設定で、色々端折ってぶっちゃけてしまえば少年が生き残りを探しに外を見に行ってそのまま帰ってこなかった話だったのですが、もしそこで二人一緒に行っていたら、というifがAuroraの設定です。なんか無事ふたりとも生き残るための脱出ゲームみたいになってきたぞ。マルチバッドエンディング。
 少年はどこかしらで少女を助けるためにやっぱり命を落としてしまうのですが、それを信じたくない少女はその亡骸と共に雲のなくなった雪野原を歩き続け、いつしか心も崩れていく…というお話でした。アレンジ含めて清白さのある狂気を意識した曲です。歌詞中の鐘の音は彼女以外の人が何処かで行きている証なのでしょうが今の少女にそれは希望に見えるのかどうか。
 そんなわけで少女視点の楽曲なのでV系コンピ収録版より女々しさを出すイメージ(当社比)で歌い直してます。ミックスとしては前回よりも歪み分多め、唯一奇数拍子が入ってくるCメロがお気に入り。

・Tr.5 Bonustrack -ボーナストラック-

 一部で話題になっている冬虫夏草の「ずんだもちコンピ」に提供した曲の一つ「Z.D.M.-zenith distance moldered-」の再録版です。こういうおふざけ企画ではド直球投げていくのが自分の役だと思ってるのでド直球投げました。球速は測らないで。
 ずんだもちコンピ参加当時、Vo.の川口がさわり程度のデスボイスを習得した時期だったのでなんか使えそうなの書こうということでこんな曲になりました。だいぶハードなアレンジになりましたがこれでもメロディラインは大元のずんだもちのテーマからほとんど変えてないんですホントホント。

 今回再録にあたって(ネタを知らない人向けに)イントロにずんだもちのテーマをラジオ風に入れたのですが、実は昨年PCを64bitに変更する時に原曲のパラデータを紛失してしまったようで、企画主の大久保潤に「データ残ってない?」と確認したところあちらの方でも削除してしまったようで急遽録り直してもらうことになりました。何気に出来立てほやほやの録り下ろしずんだもちでした。

Staff

Produce
Vocal & Lyrics
Compose, Arrange & Design
Special Thanks

:Nihal
:川口悠羽
:三滝航
れむ(毎日五月病。)
 大久保潤(冬虫夏草)